JOTワークラボ神戸 知的障害ラボ

知的障害をお持ちの方の意思決定とその表明について

第四回は「知的障害をお持ちの方の意思決定とその表明について」というテーマで行いました。

かつて、障害のある人、特に知的障害を持つ人は、「判断能力が不十分である」「自分のことを自分で決められない」といった根深い偏見や自分で選べる環境にないなどの理由で、“自分で決める”ことをさせてもらえませんでした。

しかし、障害者権利条約を作るときには、「私たちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing about us without us」と、世界中の障害当事者たちが声をあげました。

どんなに重い障害のある人にも、意思があり自分で決める権利があります。

ただ、これまで聞いてもらう機会がなかったために、自分の気持ちをどう表せばいいか分からなかったり、言っても流されたり否定されたりして話す気を失ってしまっている人もいます。

コミュニケーションが困難で言葉は出なくても、「好き」「嫌い」という気持ちを、微かな表情や動きで表出する人もいます。

事業所でも“意思決定”する場面が多々あります。

毎朝、朝礼でその日に取り組む作業を選択する、休憩をとるタイミング、プログラムへの参加の有無、清掃場所を選択する…などなど。

すぐに決める人、迷ってなかなか決められない人、どう決めればいいかわからず困っている人…いろいろなメンバーさんがおられます。

事業所内では、ご本人の意思で選択したことが失敗につながったとしても、それが良い経験となって今後につながっていくでしょう。

大切なのは、「自分で決めていいんだ」「自分で決めることはうれしい」と思えること。

私たちは、その小さな気持ちを受け止め、その方との関係性を築けるようなかかわりを心がけていますが、時には、ご本人の希望に沿わない決定をしなければならない場面もあります。

勉強会では、そうしたみなさん一人一人の意思の表明を、どこまでくみ取れるか、また、その意思が、実際の事柄に当てはめた時に、ご本人の希望に沿わない場合、どう納得していただくかなどについて、意見を述べあいました。

また、支援者の都合で、操作・誘導することはあってはならないこと、今後も、ご本人の意思を尊重した支援のかかわりを続けていくことを確認して勉強会を終えました。

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